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介護施設の“増築”はこう変わる|既存棟との一体化・動線接続の事例

介護施設の整備というと、新築や全面的な建替えを思い浮かべる方が多いと考えられます。しかし実際には、資金面や敷地条件、入居者の移転負担などの制約から、建替えが容易に実現できるケースは限られています。そうした中で、「増築」という選択肢が現実的な対応策として検討されるようになりました。

本記事では、特別養護老人ホームの増築事例を手がかりに、介護施設の増築がどのように計画されてきたのか、そして成功の要因として挙げられることの多い「既存棟との一体化」「動線接続」の考え方について整理していきます。

 

 

 

1.なぜ今「増築」が選択肢となるのか

介護施設を取り巻く環境は、建設コストの上昇や人材確保の難しさなど、さまざまな課題が指摘されています。

このような状況下では、新築や建替えよりも、既存施設を活用できる増築が検討対象となるケースも多いでしょう。

増築は、既存施設の敷地やインフラを活かしながら、必要な機能を補完できる手法の一つです。また、運営を継続しながら整備を進めやすい点も、選択理由の一つとして挙げられます。

 

 

 

2.増築計画において重視される「一体感」

増築を行う際には、単に建物を追加するだけでは、運営面や居住環境に課題が生じる可能性があると考えられます。既存棟と増築棟の動線が分断されると、スタッフの移動負担が増えることや、入居者の生活動線が複雑になることが指摘される場合があります。

そのため、増築計画では「一体感」を意識した設計が重要とされます。

一体感とは、外観の統一にとどまらず、内部動線や空間構成、日常運営のしやすさまで含めた考え方です。

 

 

 

3.N館・新館増築の概要

N館では、既存棟の運営を継続したまま、新館(増築棟)が計画されました。

新館はユニット型の介護を前提とした構成となっており、コンパクトな床面積の中で生活単位を形成する計画が採られています。

増築にあたっては、既存棟との位置関係や接続方法が検討され、日常的な動線の中で無理なく行き来できる配置となっています。このような計画により、新館が独立した建物としてではなく、既存棟と連続した生活空間として機能します。

 

 

 

4.動線接続がもたらすとされる運営上の効果

動線接続の工夫は、施設運営にも影響を与えます。既存棟と増築棟を行き来する際の距離や段差が抑えられることで、スタッフの移動がスムーズになります。

また、入居者にとっても、生活動線が大きく変わらないことは安心感につながります。特に環境変化に敏感な高齢者の場合、見慣れた空間が連続していることが、生活の安定に寄与すると考えられます。

 

 

 

5.運営面から見た一体化の意義

増築を成功させるためには、建物の接続だけでなく、運営面での一体化も重要な視点となります。人員配置や設備の使い方を施設全体で共有できるようにすることで、柔軟な運営がしやすくなると考えられます。

N館の増築事例では、既存棟と新館を一体的に運用することを前提とした計画が行われており、スタッフ間の連携が取りやすい体制につながっています。増築は単なる面積拡張ではなく、運営を見直す機会にもなり得るのです。

 

 

 

6.増築設計で留意すべきポイント

介護施設の増築では、接続部の計画が重要な要素となります。廊下や渡り部分は、日常的に利用される生活動線となるため、採光や視認性、幅員などへの配慮が求められます。

加えて、音やにおい、プライバシーへの影響についても、用途や入居者属性に応じた配慮が必要と考えられます。

 

 

 

7.新築・建替えと比較した増築の位置づけ

新築や建替えは、理想的な施設計画を行いやすい一方で、多くの時間とコストを要します。その点、増築は既存資産を活用しながら段階的に整備を進められる方法として評価されています。

N館の事例からは、増築であっても、計画次第で施設全体の使い勝手や評価に影響を与え得ることが読み取れます。建物の規模や形式よりも、接続や運用の工夫が重要な要素となると言えるでしょう。

 

 

 

8.まとめ

介護施設の増築は、新築や建替えの代替手段としてだけでなく、現実的な条件の中で施設を更新する方法の一つです。既存棟との一体化や動線接続を丁寧に計画することで、運営や居住環境に配慮した施設づくりにつながります。

N館の増築事例は、「増築だからこそ可能な工夫」があることを示す一例と見ることができます。今後の介護施設計画においても、増築は状況に応じた選択肢の一つとして検討され続けていくでしょう。

 

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